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フランス代表、世界ランキング大躍進の三つの背景とは?

ムッシュです。

 

シックスネーションズ優勝のお祭り騒ぎも、選手たちが各クラブに帰っていき、ようやく沈静化したようです。酔っぱらって、優勝カップがセーヌ河に放り投げたという、「阪神優勝時のカーネルサンダース人形」を彷彿させる噂もありましたが、無事合宿所に戻ってきたようで、一安心です。

 

前回ワールドカップ前の監督交代劇に加え、国際試合での相次ぐ敗退で、一時は日本「以下」まで落ち込んだ世界ランキングも、直近は史上最高の第二位まで躍進、自国開催ワールドカップへの優勝期待が高まるのも当然でしょう。

 

この復活劇の背景には何があったのでしょうか。今週Le Mondeでも記事になっていましたが、ムッシュなりに考えてみました。

 

1. フランスラグビー協会(FFR)と国内リーグ(LNR)とのもめごとが少なくなった

過去は、熾烈なリーグ戦を戦うために、代表選手の囲い込みやタイトなスケジュール等、協会とリーグとでトラブルが絶えませんでした。そこで、協会サイドは代表選手枠を42名に増やす一方、試合出場機会のない選手を週末にはクラブに返すことにしました。リーグサイドも、国際試合との日程調整をしながら、6ネーションズ期間には過度な代表選手起用を避けるなどの柔軟な姿勢を取りました。代表の首脳陣もコンスタントに各クラブやリーグを訪問して、コミュニケーションを絶やさぬよう、努力しているようです。

 

2. 監督、新コーチ陣やスタッフの採用が画期的だった

ガルティエ監督は代表主将としての輝かしき戦績に加え、モンペリエ、パリ、トウーロンでの監督経験が豊富。イバネスヘッドコーチはイングランドのサラセンズやワスプスでのプレー経験があり、英語に堪能でマスコミ対応受けします。またエドワード守備コーチは、21世紀のウェールズの黄金期を支えた、ラグビーリーグ出身のウェールズ人。攻撃重視に走りがちなシャンパンラグビーに、ディフェンスの強さを付加させました。加えて、「ブライトンの奇跡」を演出した、元審判ガルセス氏をアドバイサーに招聘。目まぐるしく変更が加えられる、ルールの分析と徹底を勉強会形式で選手に植え付けました。

 

3.選手の大胆な若返りを図った

前回日本大会時に「Under-20」で活躍していたデュポン、ヌタマックといった選手たちを起用し、大会終了後、ギラドやピカモール、ウジェ、メダールといった、近年活躍していた「オジサン」を代表引退させました。20206ネーションズのメンバーは平均年齢24歳で臨み、その後いろいろな選手を起用しながら、昨年のオータムネーションズカップくらいからは、固定されてきました。年齢の割に、ペナルティの少ない、パニックしない落ち着いたプレーを見せるのは、まさにこういった試合経験の賜物といえます。

 

ラグビー自体がスピーディーでアタック重視なトレンドにある中、アイルランドは伝統的なフォワード重視戦法からバックスへのオープン攻撃に舵を切り始めました。イングランドもエディ―さんが、大胆な若手起用を始め、来年を見据えて経験を積ませつつあります。南半球の強豪国も無視できないですし、好調フランスも慢心すれば寝首をかかれる戦国時代の到来。まさに油断大敵ですね。

 

 

                    執筆者 ムッシュF

 

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