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名実ともにバカンス大国フランス

フランスといえばバカンス。

 

日本の事情からすると想像以上のバカンス優先の国。住んでみてわかるフランスのバカンス事情です。

 

まず写真のカレンダーは典型的なフランスの年間カレンダー。毎年10月くらいになると銀行や大手の会社、お店などが無料配布をします。このカレンダーのサイズA4やそれ以下の小さいサイズからA1など大きなサイズ。街にこのカレンダーを小脇に持って歩くフランス人をみるようになると、そろそろ年末だな〜。

 

さて、注意深くこのカレンダーを見ると、色違いの長く縦線の入ってる月があります。Févrie2月、Mars3月、 Avril4月 、Mai5月、Juillet 7月。つまりほとんどの月にこの気になる縦線が。。。これがバカンスの週です。

 

3色カラーが違うのは、フランスをZONEA、B, C と3つの地域にわけ、バカンスが始まる週がゾーンごとに違うのです。ちなみに、私の現在住んでいるトゥールーズはゾーンC。バカンスがはじまるのが一番おそいゾーンC...ちなみにパリも同じゾーンです。ボルドーはゾーンA、マルセイユ はゾーンB。

 

それにしてもこのバカンスのリズム。親も子供もつまりフランス人ほぼ全員がこのバカンスを主とした年間スケジュールにのっとって生活をします。

 

そもそもフランスの1月は日本的なお正月文化がありませんから、会社も学校も1月2日からスタートするといっても、その前はノエル バカンスが約2週間あります。そして、2月にはいったら、ゾーンA地域は2月の2週目から2週間のバカンス。スキー、スノボーバカンス。そして、4月は、2週間のイースターバカンス。フランスの5月はバカンスこそありませんが、毎週のように祝日があり、木曜日が祝日なら、金曜日も自発的に休日にして、4連休というのが毎週続いたりします。この時期ネットなんかで営業時間や開館時間を下調べをしても無駄。何度も5月の祝日の前日に、税務署や図書館に到着したところ、”Exceptioonnellement fermer" "例外的休日”とマジックで適当に書かれた紙切れがシャッターに貼られている現場に何度も遭遇しました。なんと役所までそんな技あり?!そう、この国は”お客様は神様”なんていうフィロソフィーは皆無!

 

そして、7月から8月ほぼ2ヶ月のバカンス。10月11月にかけては、2週間の秋休み、5、6年前まで、この2週間の秋休みだけは10日だけ(?)だったのですが、それがどうせなら2週間に統一ということで現在は2週間。そして、ノエルバカンスへ。。。”嘘でしょ〜!?”悲鳴が聞こえてきますね。

 

こんなにバカンスが多くていったい国は大丈夫なの?!日本人的感覚したらどうもそう感じるようなのですが、実際この国のひとたちは多くの方が表面的にはなんとも優雅に過ごしているのです。優先するべきことは

会社とか仕事でなくバカンスだったのね!?

 

田舎の家や別荘があったり、バカンスになると1、2週間連続で別荘を借りたり、キャンピングカーバカンスの歴史の長いフランスでは、キャンピング場が至る所にあったり、ツールドフランスの国、自転車ロードが充実しているので、自転車でバカンスへでかけるフランス人も。ピレネー山脈やアルプスで長期に渡るテントバカンス。夏休みなんて、社長であろうが、平社員であろうが、自営業であろうが、まずは自分のバカンス最優先。私の周囲のフランス人はほぼ1ヶ月バカンスへでかけていきます。バカンスから帰ってきた、早速次のバカンスの話もはじまります。

 

8月にパリに旅行をされたことがある方は経験済みかもしれません。目指していった憧れのお店。店頭のシャッターに ”Fermeture de la boutique du 4 aout au 26 aout." ”8月4日から26日まで休業”。マジックで書かれた紙切れが貼られていたことが。。。フランス人こそ人生を謳歌する人種はいない、と昔聞いたことがありますが、それをこの目で確認している最中です。😁

 

ちなみに、現在2月バカンスの真っ只中。私の周りでは、スキー旅行の話題が多い時期です。 ピレネー山脈は越境してスペインスキーも人気だし、アルプスあるし。フランス万歳!Bonnes Vacances! 

 

執筆者 田所