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フランス、外国人の年金受給資格、本当!?

 世界が注目するフランス大統領選挙。今週末日曜日、フランス大統領選挙第2ラウンド! 現職マクロンVSマリン・ルペン。。。。

 

 昨夜、4月20日、多くのフランス人が見守るなかほぼ3時間に及ぶ両氏によるテレビ討論がおこなわれました。全部見なくても、はじめから焦点となる議題はあきらか。コロナ問題が鎮静しかけた矢先に勃発したウクライナ情勢の影響で、この2ヶ月フランス人の生活は、急激なインフレによる食料品、エネルギー費用の高騰などフランス人の日常生活に直結する問題山積。確かに、食料品は、高くなっているな〜。個人的に一番きついのが、車の燃料費。現在ディーゼルは1リッターにつき2.20 ユーロ 290円前後。これは痛すぎます。3ヶ月前は150円前後でしたので、この上昇率は異常、そして打撃(痛っ)。

 

 

 こうした生活費に関係して、老人の心をくすぐる年金の話を中心に、フランス人の購買力(Pouvoir d'achat)をどのように復活させれるか、選挙の時にはよくある議題です。

 

しかし、今回のもうひとつの焦点は、Pouvoir d'achatの心配以上に、極右政権がエリゼ宮殿に引っ越してきたら、、、これが多くのフランス人の本音と恐怖ともいえるような心配なのです。”フランス人のためのフランス”を掲げるマリン・ルペン。響きはある意味美しいのですが、EUもNATOもNON...フランス大革命を表明しています。

 

また、外国人にとってはフランス人のためのフランスですから、これまで与えられている外国人の権利なども剥奪予定?そういえば、サルコジ元大統領政権下でアラブ人のベール禁止法案を作り、公衆の場でベールをかぶる人には罰金というのが物議をかもした時代もありましたが、あれはいったいどうなったのでしょうか。。最初の頃は、警察が路上コントロールをしてアラブ人いじめをしていましたが、この法案へのバッシングと世界からの圧力もあったのでしょう、自然消滅のような法案でした。今でもフランスの街によっては、人口の半分はベールを被った人たちがたくさんいます。今回の選挙の中でもマリン・ルペンはこのベール禁止復活に触れていますが、、、フランスもグローバリゼーションのなか、ちょっと時代錯誤かと。。

 

 さて、外国人として生きている日本人の私は、いまのところベールは被ってないので、それについては直接的な心配はないとして。。。日本人にも影響してくることは山のようにあるようですが、目下興味深いことが、フランスの年金受給資格事情です。2022年現在のフランスでは、年金受給年齢は65歳。過去10年以上フランスに住んでいたら、外国人であっても年金受給があります。現在月額916.78ユーロ 約12万4000円。しかもその外国人がフランスで一切働いたことがなく税金を納めていなくても年金受給資格がある。。。日本のように単一民族の国で生まれて育った私には、このフランスの”懐の深さ”に感動、びっくり。

 

 さらに、フランスの年金の歴史を探ると、過去15年でこの外国人の年金受給資格条件もかなり厳しくなっているようで、亡きシラク政権の頃は、なんとフランスに3年ほど住んだだけでこの年金受給資格があったのだとか。。。本当?👀 ミラクル、謎です。フランスという国はいったいどんなに懐が深いのでしょう?!

 

 ということで、ルパンさんがエリゼ宮殿に引っ越すことにでもなったら、この待遇は真っ先に削除されると予想されます。私にむけてフランス人の友人がいいます。”ルパンが当選したら、いままでみたいな呑気な生活はできないぞ!”  😅

 

 この日曜日の選択がどれだけフランス人にとって重要かを示すような事実を今日も耳にしました。選挙権をもって30年、左翼&ヨーロッパエコロジー党一本で貫いてきたフランスの友達が、”日曜日はマクロンに投票する” 床をみつめて、悲しそうに。。あのマクロン批判節はどこへやら。”えっ!まじでー?!第1ラウンドで3位につけたメランションに投票した票がどのような結論をするかがかなり鍵となる第2ラウンド。“白紙投票”なのか“棄権”または”マクロン”なのか、2日前、近所の80歳マダムの話では、”前回はメランションに投票したけど、マクロンが嫌いだからマリンに投票するわ” 。。

意味がわからない😰

 

 ちなみに昨夜の二人のテレビ討論、フランス人の感想の多くは、”マクロンのほうがはるかに説得力があった。🤓” 究極の話をすると、そもそも選択がマクロ?ルペン?がまずいらしいのですが、今のところ選挙権のない完全外国人の私。熱くなっても所詮、外国人なのですが、、、上記の理由で選挙当日まであと3日、ハラハラドキドキし続けます。

執筆者 田所