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フランスから日本に帰国して感じる2国間の「コロナ環境」の差

 現在フランスから日本に帰省中です。1年3ヶ月ぶりの日本。

 

 前回、日本に帰省した、2020年の冬、フランスは2回目の「ロックダウン」最中でした。2020年3月、初めての完全ロックダウンに比べると、かなり緩いロックダウンとはいえ、外出の多くに規制があり、外食業はほぼ閉鎖されていましたので、大変窮屈な生活を強いられた中での日本帰国。日本には法的な行動の規制がほぼなく、飲食業もほぼ通常営業をしていましたので、日本はなんて自由で美味しい国(笑)と再認識していました。

 

 マスクについては、フランスは今年2022年3月末まで約1年半の間、屋外での「マスク着用義務」がありました。家から一歩外にでると、通りや街、公共交通機関でもマスクをしていないと罰金は135ユーロ(日本円で1万8500円)。フランス人がマスクをするという歴史的な変化が一夜にして根付いてしまいました。何をするにも罰金を課さないと法律を尊重しない(これはフランス人の自白😅)という状況で、衛生パスなども使用され、衛生パスがないとレストランに行けないという、”誰がこんなフランスを想像したか”、という事態が約1年近く続きました。衛生パス現在(2022年4月)は廃止されています。

 

 自由を何より重視するフランス人、フランスがあっという間に変化してく様を目の当たりにし、その急激な変化に驚きながら、客観的にフランス人の変化や適応も観察してきました。

 

 2022年4月現在、コロナ前のフランスに戻ったかのように、カフェやテラス、お店には多くの人で賑わいが戻りました。レストランのテラスではおしゃべり好きのフランス人が、楽しそうにワインやカフェを飲みながらおしゃべりをしている姿。マスク義務がなくなり、笑顔とおしゃべりの光景が戻ってきたのは、本当に嬉しいことです。ほとんどのフランス人がマスクを外しているとはいえ、それでも”精神的コロナ後遺症”も多く、”自主的にマスクをしているフランス人”もみかける現在。とりあえずは罰金がなくなったことで、開放的なフランスに戻りつつある現在、”コロナ社会リハビリテーション”段階でしょうか。。。。

 

 さてこんな自由な雰囲気を取り戻しつつあるフランスから日本に帰国して空港に到着したその日から、日本でみる様々なコロナ風景、自然とフランスのものと比較してしまいます。お国柄がでるコロナ環境、比較をする意味はないのですが、やはり文化の違いによる対応、反応、2つの国を行き来するといやでも比較してしまうのです。。。

 

 まず羽田空港での厳重な水際対策PCR検査模様。日本とは比較にならない数の犠牲者を出した、フランス、ドイツ。今回フランスからドイツ乗り継ぎ便で日本に帰国しましたが、PCR検査は全く必要がなく、ワクチン接種チェックもまったくありませんでした。

 

 羽田空港でのPCR検査場では実際、飛行機の乗客数よりもPCR検査スタッフのほうが多いのではないか?と思うぐらいの大規模会場設置。検査の流れもかなり細かく、“さすが日本!”検査をする人をその場所に誘導させるまでにいったい何人スタッフがいたことでしょう。このような細かい流れ作業は絶対フランスではあり得ない、まず、フランス人がそんなことができない。。。

 

 マスクについては法的強制がないにもかかわらず、ほぼ100パーセントマスク着用が成り立つ日本。これは日本人のまじめさとか、やはり”人の目をきにしてしまう”風潮、または最近浸透している新しい4文字熟語、”同調圧力”という表現もこの状況にはかなり説明がつくと感じてしまいます。

 

 もちろん多くの方がコロナを心配されているにしても、実際”いつまでマスクをしなければいけないんだろう”という不安、不満の声は耳にします。マスクの後ろでは、それぞれの色々な感情が隠されていると思うと複雑な気持ちとなります。しかもこれから暑くなる季節です。。。。

 

 そうだ、このブログを書こうと思ったのは、”ホームステイの受付はしていますか?フランス人はコロナを心配して受け入れを拒否しませんか?”というご質問をよくいただくので、”全然気にしてませんよ!””逆に長い間、日本人のお客さまが家に来なくなり、はやく来てくれないかと痺れをきらして待っています。”という内容を書きたかったのでした。。。

 

 日照時間が最も長くなるこの時期(夜22時過ぎまで明るいフランス)。夏のバカンスもほぼ1ヶ月半後にはやってきます。今、フランスとフランス人は開放的なのです。😆

 

執筆者 田所

南フランス5月の風景
南フランス5月の風景